肝臓は常に働いており、完全に休むことはありません。
飲酒で大事なのは、1週間の総量。毎日飲むのが健康に悪いわけではありませんが、飲んだ総量の把握が難しいなら、飲まない日を設けた方がよい。休肝日の設定は総量コントロールの手段だと考えてください。
通常のアルコール代謝能力を持っている日本人の場合、節度ある適度な飲酒量とは、1日平均純アルコール摂取量で20グラム程度。純アルコール20グラム程度とは、ビール中ビン1本(500㏄)、日本酒1合(180㏄)、25度の焼酎(100㏄)、7%~の酎ハイ(350㏄)、ウイスキーダブル1杯(60㏄)、ワイン2杯(200㏄)に相当します。なお、女性と65歳以上の高齢者は男性の2分の1~3分の2程度に。ただし、適正な飲酒量は個人差があり、万人に当てはまる数値ではありません。
飲酒量と生活習慣病との関係ですが、高血圧や脂質異常症(高脂血症)などは飲酒量が多いほどリスクが高くなります。一方、2型糖尿病、虚血性心疾患、脳梗塞などは少量飲酒の方がリスクは低くなる。ただし、飲酒量が増えればリスクは高くなります。
お酒を飲むと血管が拡張して一時的に血圧は下がりますが、飲酒量が多いほど高血圧になります。高血圧の人は、1日のアルコール摂取量20グラム以下に制限してください。女性はその半分くらいまで。お酒を飲む時は、塩分の多いおつまみを食べないように。
アルコールは意外と高カロリー。おつまみに脂肪やタンパク質が多いものを選ぶと、カロリーの過剰摂取から高血糖を助長させます。糖尿病は、血中の中性脂肪が高くなりやすい、血圧が高くなりやすい、尿酸値が高くなりやすい人に多く、アルコールはこれらを助長します。糖尿病と診断されている場合、少量でやめる自信がないなら、最初から飲まないように。
なお、経口剤を服用している場合、インスリン注射をしている場合、合併症のある場合は、少量でも飲酒は厳禁です。
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